itsuki

災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 10

目を開いた時には、既に陽が差し込んでいた。いくつかの廃屋を転々とし、ここと定めて住み着いた建物にはまともな屋根がある。とはいっても管理を放棄されて久しい空き家だったから、そこかしこに建材が劣化して出来た穴があった。真上から届く光が俺のぼやけ...
BLOG

久々更新しました

久しぶりに災禍の刻印更新してきました! 久しぶりだからというわけではないですが今回ちょっとだけ長めです。ちょっとだけだけど。ようやく序章が終わってメイン人物が揃った感じです……我ながら時間かかりすぎですね。また最低月1更新ペースに戻していき...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 9

元来リディム教は、伝説にある魔女の災厄から民を守るために生まれたものだった。かつて屍の山を築いた恐るべき魔女、それがやがては甦るという予言。怯え、祈りを捧げる民と、彼らを導こうとする司祭が一つ所に集ったのが始まりである。神の恩寵――〈聖呪〉...
BLOG

コミティア出るよ!

はい、お久しぶりのブログです! 生きてます! 予告はしてましたが先月は一切サイトいじらなくてちょっと自分で凹んだりしましたが、まぁ気を取り直していきたいと思います。  えー、まずはタイトル通り、6/6コミティアに参加予定です! スペースは【...
BLOG

すっかり春ですね

早めの更新とか妄言を吐いていたのはどこの誰? はい私です! 今月も月末ギリギリ更新でした! 大丈夫大丈夫、まだ三月……。 てことで災禍更新してきました。やっと新キャラの名前が出ました。ようやくブログやらTwitterやらで名前を呼べます。カ...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 8

整然としているようでアンヘルは随分と入り組んだ街だったのだと、リューグはこの日初めて知った。表通りならば目印となるものも多く分かりやすいが、少しでも横道に入れば路地は不規則に折れ曲がるし、不法に建てられた小屋が景色を乱すし、壁が崩れて通れな...
BLOG

まだ二月

ということで前回のブログでフラグ立てまくってましたがなんとか二月中更新に成功したイツキです。どうして二月ちゃんはすぐにいなくなっちゃうの。 てことで災禍更新しました。やっともう一人キャラがでてきたよ……! まだ名前すら出てないけどね! それ...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 7

知り得る限りの自分の一番古い記憶は、やはり教会の一室だった。重く、意のままにならない身体を台の上に横たえ、朧気な視界に必死で何かを見出そうとしていた。辺りには青臭いような、甘いような香りが立ち込めている。それを吸い込むと、ただでさえ曖昧な意...
BLOG

明けてました

明けまして! おめでとうございます! 今更とか言わないで! 一応今年初ですし!  ということで新年一発目の災禍更新しております。相も変わらず進みが遅いですが、多分次……か次の次くらいには新しい? 人物も出てくると思われます。やっとかい。とい...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 6

他ならぬ自らの叫び声で、リューグは目を覚ました。伸ばした手の先には何もない。まるで全力で走った後のように息は上がり、顎には汗が伝っていた。先程まで自分は誰かに呼び掛けていた。必死に追いかけていた――いや、違う。リューグは確かに寝台に入ったは...