itsuki

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2020年まとめ

年内にもう一回ブログ更新したいといいつつギリギリになってしまった! 大晦日ですねどうもイツキです!なんやかんやあった一年だしまとめ的なことをしてみようかなと。では行きます。 創作関連 ・Eternal cage、ホロウ・ヒューマン製本・サイ...
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そろそろ年末

早いものでそろそろ一年の終わりに近づいてきましたね。今年は環境の変化が大きかったので適応するのにいっぱいいっぱいだった感じはあります。イベントも中止になったりして創作的にもモチベーションの維持が上手くいかない所はあったんですが、なんだかんだ...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 5

目深に被った襤褸布と縺れた前髪の隙間から、俺は往来する人々の足元を観察していた。道端に座り込んでいると俺の目線では全身を見ることは出来ないが、足だけでも意外と人の身なりは分かるものだ。艶のある上等な革靴、ぴったりと丁寧に足を包むズボン。それ...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 4

「よくもやってくれたものだな、小僧。これまでの準備が水の泡になってしまった」 部屋を訪れて開口一番に、不機嫌を隠そうともせずマリウスは告げた。神子に対して大袈裟なほど敬意を示し、慇懃に接していた昼間の顔は影も形もない。だが、リューグとしては...
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北ティアありがとうございました&メールお返事

てことで、委託参加ですが北海道コミティアありがとうございました! 初めての北ティアだし、このご時世だし、他にも色々考えてマジで一冊も減らない覚悟をしてたんですが、頒布数ゼロじゃなかった……!お手に取ってくださった方ありがとうございます!そし...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 3

「アンヘルの民よ、否、ジスアード神聖国に住まう全ての命よ。心せよ。本来ならば、この日は大地の豊穣を祝い、神に感謝の宴を捧げるものであるとは誰しもが知るところであろう。だが今年はより重要な意味を持つものとなろう。今日という日に、ジスアードの歴...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 2

起き抜けはいつも、夢と現実の境目が曖昧だ。柔く身体を包む寝具と紗の天蓋、碌に使われない文机に書棚、微かに鼻腔をくすぐる香の匂い。それらを徐々に認識して、ようやくリューグは自分がいる場所を思い出す。ジスアード神聖国、王都アンヘル。リディム教の...
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新しいの始まりました。

というわけで、新しい連載始まりました!タイトルは『災禍の刻印』。神子とか魔女とかその辺の言い伝えに振り回される感じのファンタジーです。完結済みの長編と比べると少し……いやそこそこ……暗いかもしれません。まぁ私自身も書いてみないと分からないと...
災禍の刻印 第一章 虚ろの神子

虚ろの神子 1

いつも、同じ夢を見る。 夢の中で俺は、短い手足を懸命に動かし何かから逃げていた。周りは知らない街だった。土で固められた建物も荷運びする驢馬もありふれた光景だが、吸い込む空気は馴染みのない味がした。当然、道も分かるわけがない。 背後から男たち...
掌編

雪と骸

もうすぐ、春が来る。雪が融け、凍った川が流れだし、泥の隙間から微かに緑が覗き始める。そんな季節がやってくる。芽吹く命には祝福の歌を。土の下の亡者たちには上滑りな祈りの言葉を。誰かがそれを口の端に乗せては儚く忘れ去られ、やがて季節は巡っていく...